函館への旅【釣り】

今年も函館へ。北海道へはここ最近年に数回訪れているが、二年続けて訪問する街は函館が初めて。今年もサクラマスを狙いに、冬の間から準備を整えてきた。

初日は市内の釣具屋などを巡る。レンタカーをセイコーマートの駐車場でぶつけられるアクシデント。昨年もホテルの駐車場で停めていたクルマをぶつけられたので、これで2年連続である。ふだんは全くこんなことないのに、函館に歓迎されているということなのだろう。五稜郭を初めて訪問。昨春に佐久臼田の五稜郭に行ったことで、かえって函館のものを見てみたくなったのだが、やはりスケールが違う。史跡というものにじっくりと味わいを覚えるようになったのは、年を重ねたせいだろうか。

夜は観光地ずれした大門横丁を避けていさりという名前のいい居酒屋に入る。内装と雰囲気はいまいちだが流石に魚はうまい。しかし喫煙可の居酒屋が多すぎてちょっとずれを感じる。「ビール飲み比べセット」なる1600円のメニューに、金麦が入っていると聞いて耳を疑う。よし、飲み比べよう! てなるのかな……。ならんな……。

早々に切り上げて昨年満席だったラーメン屋へ。函館麺屋四代目。函館は塩ラーメンだと先日マツコの知らない世界でやっていたので、塩ラーメンを注文する。悪くない。が、感動するほどでもない。同行人の味噌ラーメンがやたら美味しそうに見えた。

翌日、4:00に起きて朝風呂へ。体温をしっかり上げて朝5:00に港へ向かう。セブンイレブンで船長とばったり出くわし、そのまま港まで連れて行ってもらう。1年ぶりで記憶も蘇ってくる。船には我々を含めて10名弱。平日なのにそれなりに多い。これは昨年同様。30分弱走って最初のポイントへ。

ひと流し目、50m。あえて底をとってみたらすぐにホッケが釣れてくれた。新しい釣り竿(GAME type LJ B62-2/FS)だから幸先がいい。そして160gのジグのしゃくり味がいい。スロー気味のテンポと合っている。120-130gならもっと気持ちよさそうだ。

しかし本命のサクラマスの反応がない。それらしきアタリもない。開始2時間ほどでようやく船中で一本出たが、あとが続かない。船長も困り顔だが、後で聞いたところこの日はイルカが入ってきて芳しくなかったらしい。

ホッケと豆イカのダブルヒット(?)などはあったのだが、なかなかサクラマスが出ない。船長も移動を繰り返す。一瞬の時合のようなタイミングがあり、ミヨシの人がサクラを上げた直後、こちらにも今までとは違う反応が。小ぶりながらサクラマスがようやく釣れてくれた。しかしその後は続かず、この一匹のみで納竿と相成った。昨年の好釣のイメージでいたので、厳しい結果となってしまった。

・ホッケ10匹ぐらい
・豆イカ(その後船中で焼かれてみんなの胃袋へ)
・サクラマス(30-35cmくらい)
・XXカジカ(名前忘れてしまった)

ジグはすべてウロコジグのパープルゼブラ/フルグロー、160g。結局一日を通してこれしか使わなかった。

翌日も船に乗る予定にしていたのだが、爆風ということで出船は無しに。傷心のまま、いか市場でフルコースを堪能。船長のはからいということもあり、気持ちのよいサービス、そして絶品の海鮮を心ゆくまで楽しんだ。毛ガニを食べたのはいつ以来だったろう……。函館ビールのブルワリー、ラッキーピエロとハシゴして上機嫌で宿に戻ったら、カードキーを無くした。とほほである。

予報の通り、翌朝から爆風であった。船はとてもじゃないが出られる風じゃない。それでも釣りをしに来たのだからと、天狗屋でブラクリと餌のサンマを買って、南茅部町へ穴釣りに行く。テトラの隙間に餌を落とす釣りだが、ここも爆風。それも気温2℃。一瞬で手の感覚が失われ、鼻水が垂れる。

上手く落とせればアタリがある釣り。ガヤが飽きない程度に釣れてくれたが、なにぶん寒いので実釣1時間ほどで退散。穴釣り用のショートロッドとフロロラインのタックルがあっても面白いかもしれない。

ラッキーピエロ人見店であんかけ焼きそばとチャイニーズチキンバーガーを食す。ここはらーめんも美味しそうであった。昼には有名店あじさいで塩ラーメンを食べたが、塩ラーメンは自分のジャンルでないことはわかった。マツコの言っていた通りである。

お土産を求めてスーパーへ行くと、3kgほどのサクラマスがちょうど半額になったところで、たちまち地元の人達が買い求めていった。日常の生活にマスが浸透しているのを感じる。本州でサクラマスというとかなり貴重な魚だが、こちらでは季節の魚のひとつに過ぎない。タコドウグ、というミズダコの内臓も売っていた。湯がいて酒のおつまみになるらしい。函館でも食すが、下北半島が本場だとか。こういう側面に触れられるから、旅はいい。

最後ははこだて自由市場へ。もうほとんどのお店が閉まっていたが、会計作業をしていた鮭売りのお店で紅鮭の切り身セット(1300円)を買う。ここのおやじさんは気さくでいい人だった。朝食を食べに行った函館朝市が商売ずれしていてどうも感じが良くなかったのだが(とはいえこれはどこの観光市場でもそうだ)、最後にほっとする人との交流があった。他の店にはGLAYのアルバムジャケットが店頭に飾られていたりして、函館を強く感じる。

着陸態勢に入った機内からぼーっと窓を眺めていると、改めて東京という都市圏の大きさに驚かされる。深夜に八ヶ岳に帰宅すると、ついさっきまで北の大地にいたこと、大都会東京にいたことが現実味を失う。またいつか北へ旅に出たい。