2023年の初釣りはうおつり丸で

この世で一番愛してやまない船はうおつり丸である。新年もとうに2週間が過ぎ去って、ようやく釣り竿を振るときが来た。今回も無理を言って、うおつり丸を出船してもらった。毎度のことながら、@atuyrとツトム船長には感謝しかない。

朝から強風予報のこの日、昼前には弱まるという予報を信じて船は港を離れた。毎回思うけれど、朝の湾内はただ美しい。静かだけれど確かに聞こえてくる港の喧騒と、毎秒ごとに変化する朝日のグラデーション、そして立ち上る蒸気のゆらめき。陶然となる。

風が強いので、前回アカハタが連発した岸辺の風裏ポイントへ。ここはぴたりと無風で、日差しがぽかぽかと暖かい。数百メートル先には、風がびゅうびゅうと吹いているのが水面に可視化されているから、一層不思議な気分になる。

前回連発したバイトビーンズ60gシルバーゼブラグローで水深25m前後からスタート。前に釣れたルアーを使うのは芸がないけれど、季節や気候、時間帯でルアーを使い分けるほどの引き出しを持っていないので、ただ実績ルアーを投げるのである。しかし、この日はアタリが遠い……。

ようやくのアタリはドラゴン氏。しかし上がってきたのはE.S.O. ……エソに罪は無いが、なんとなく不吉な出だし感が漂う。口には出さないけれど。 しかし昇り竜にはジンクスなんて関係ないのであった。14gほどのマイクロジギングに切り替えてすぐに結果を出す。小気味良い引き味を堪能した末に取り込んだのは、なんとカワハギであった。ドラゴン氏の大好物であり、その表情は恍惚としているのだった。 竜の勢いは止まらない。再びのフックアップに沸き立つと、隣の私にも魚の手応えが! 果てしなくオマツリっぽい同時ヒットで、懐疑的に糸をたぐっていると、さきにドラゴン氏が魚を上げた。E.S.Oである。そして複雑に私のラインが絡んでいる。ほどくのに時間を使わせてしまったが、「魚ついているよ」との報せにこちらも沸き立つ。なんてったってこちらは2023年の初フィッシュなのである。

ほどなくして上がってきたのは小柄なオオモンハタ。いつものアカハタでもなく、ちょっと拍子抜けなサイズ。すぐにリリース。その後にはいつものアカハタが飛び出してきた。やっぱりこのルアー、釣れる。しかしその後が続かないので、60gのマキノミー赤金にスイッチ。するといいアタリ。なかなかの引きだよ!

……と上がってきたのはサバフグでした。しかし自分はフグ系を釣るのが比較的上手い気がする。同船の他の人は釣れないのに、自分だけフグが釣れることが数多い。ジグの動かし方がフグ好みなんだろうな、きっと……。ちょっと動きがスローに寄っているのかもしれない。 その後が続かない。おまけに、風向きが変わって冷たい風が吹き付けるようになってきた。昼前には風が止む、ということだったが今のところその気配はない。どうせ風に当たるなら同じだ、と沖に出ることに。浅瀬の反応がイマイチなのは、水温が下がるこの時期にはありがちなことなのかもしれない。

沖に出る。水深は80-90mといったところ。時折魚探が騒がしくなるほどにはベイトがいるようだ。しかし風が強くて、100gでも流されてしまってほとんど釣りにならない。ジツはこの日、「釣り具のフェラーリ」でジグを調達して向かおうと目論んでいたのだけれど、あまり品揃えが良くなくて、欲しいものは手に入らなかった。なんとか買ったのは、ファーストジグの100gと120g。それぞれシルバーピンクとプルーピンクである。初心者っぽいチョイスだけれど、ジグは入手性の高いスタンダードなものが一番よいというのが持論である。それにしても持っている一番重い120gでもうまく底が取れない。

その間にドラゴン氏は160gあたりのいい重さのジグを使いこなして、見事に竿を曲げた。今日のこの男は乗っている。見事なウッカリカサゴが上がってきた。この沖合ではよく釣れる魚。いいサイズだ。

いまだ風は強く、底が取れない私を見かねて、ドラゴン氏がジグを貸してくれた。140gのarc、シルバーピンク。自分の竿にはちょっと重いけど、だいぶ底が取りやすい。やっぱり200gまでは揃えておかないとだめだな……。するとその時、魚探がけたたましく鳴り響いた。水面から40m付近に反応が多数出ているという。これは間違いなく青物だろう。

これを聞いて底から引き上げて、40mほどと思わしきレンジでゆっくりとジャークしていると……ガンッ! 猛烈な勢いで竿を引き込まれた。ここまで自分の生み出すアクションに半信半疑でいたが、結果が出たことが嬉しい。ちゃんと宙層まで引き上げてきたのだから、これは狙って釣ったと言っても良いのではないか。うしし、いい引きだ。

ふっ……と竿先から重みが消えた。この感覚はわかっている。糸が切れたのだ。ボーゼンとしながら巻くと、ノットの部分からほどけている。これは……救いがない。しかも借りたジグを無くすという(今度返します)。痛恨のバラシに気持ちもぷっつり。その後アタリも遠のいたのだった。ちょうど潮止まりのタイミングも来ていたようだ。

まだ少し風が残るが、もう一度浅瀬でトライしようとカケザキに。しかしここでも釣れず。総じてこの日は浅瀬での反応が鈍い。いつもはアカハタかオオモンの遊び場であるのに、季節の違いというのは水中の様子も一変させてしまうもののようだ。 うおつり丸では珍しい貧果に少し焦りを覚えつつ、14:00頃に再び沖へ。この頃にはすっかり風もやんでいて、水深85mでも、100gのジグでなんとか底が取れる。ジグと潮のかみ方もいいフィーリングだ。するとバシッと気持ちいいフッキングを見せたのはドラゴン氏。ものすごいツッコミ方でこれはいい魚だということがわかる。ひとしきり引きを堪能したあとで上がってきたのはブリ一歩手前のワラサ。でもいいコンディションの、ナイスフィッシュ。今日は沖が良さそうだ。冬はやはり水深がある方が水温が安定しているのかもしれない。 100gのファーストジグ、ブルピンで丁寧に底をとっていると、ようやく自分にもいいアタリがあった。ぐいぐいと突っ込んでいく引き味、これはまずまずの魚でしょう。先程のほどけバラシが頭をよぎるが、慎重に巻き上げていくとナイスなマハタが上がってきた。先月に続き、マハタ2連続。たぶん自分の動かし方と底のとり方がハタに合っているのだろう。いい魚がようやく出て、ほっと一息。それでもさっきのバラシは忘れてないけど……。 このマハタが吐き出したベイトは、後日ドラゴン氏がワラサをさばいたときに胃の中に入っていたものと同じ魚だった。おそらくサクラダイのメス。この色、サイズがベイトだとしたらこの時期のジグ選びの参考にするべきかもしれない。スロージギングに興味が湧いてきた。 引き続きファーストジグで流しているとバイト。少し小型だが、まずまずの引き。……と思っていたら上まで引いてきてバレてしまった。フッキングが甘かったかもしれない。今度はジグはちゃんとついている。風も落ち着いてきて、だいぶ釣りやすくなってきた。けれども、後が続かずタイムアップ。帰ろうとしたところ、遠目に何か赤いものが浮いているのがわかる。よもや……と近づいていみると、アヤメカサゴでした。さっきバラした魚だが、だいぶ上まで上げていたために浮き袋が膨張して沈めなくなっていたのだ。ランディングして、一応釣ったところにしてストップフィッシング。

渋い印象だったけれど、50cm強のマハタ、ウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、アカハタ、オオモンハタと五目釣り。ドラゴン父子はワラサ、カワハギ、ウッカリカサゴ、オオモンハタとこちらもいい釣果。うおつり丸のクーラーボックスが埋まらないままに寄港することなんて、あってはならないのだ。

最近は魚をさばいて、食べられるように勉強中。相変わらず下手だけれど、マハタのちり鍋(皮付きのままにすること)、4日寝かせた刺し身、カマの煮付けどれも美味しすぎた……。ヌメリがでることを失念していて、ボックスの他の魚にも影響していたのでこれは次回以降の反省ということで。

水深100mでスロージギングできるベイトタックルが欲しくなってきた……。

編集者、ライター、サイクルロードレース実況担当(GCN)、レースMC、釣り人、シクロクロッサー。

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