マイ・ファースト・キャットフィッシュ

初めて釣ったマナマズ

今季初のスモーリーを釣り上げた日、実は川原で、小さなナマズを見つけたのだった。ふらふらとあてどなくヒゲを揺らしながら泳いでいる姿を見て、「そうだ、ナマズ釣ってみよう」と思ったのだった。

近所の川で夜にナマズが釣れるとは聞いたことがあった。しかし釣り歴20年以上で、マナマズをいまだに釣ったことは無い。野生で姿を見たのだって、記憶にほとんどなく先日の小さなナマズがほとんど唯一と言っていいものだった。

とはいえ、ナマズ科に関してはまったく知らないわけでもない。人生で一番大きい釣魚はヨーロッパオオナマズだし(しかもこれは珍しくマナマズと同じsilureだ)、タイではメコンオオナマズを釣ったこともある。湘南ではゴンズイに刺されて指が大いに腫れ上がった。

思い立って早速出かけてみたものの、どうにも釣り方がわからない。一晩釣りをしてみて、どこを通すべきか、どんなスピードで引くべきか、どんなタックルでいくべきか、もう少し勉強が必要だと悟る。それに夜の釣りでは装備もそれなりに必要だ。

思い立つと、思いつきのまま動いてしまうのが自分の良いところでもあり悪いところでもある。気づけば、15年は使っていなかったベイトロッドを「ナマズ用に」購入していた。もちろんパックロッドだ。シマノ・スコーピオン1652R-5。ぱっと振ってみて、自分好みの硬さ。そしてガイドがちゃんと大きくてマイクロガイドでないのがいい。頑丈そうで、ラフに使えることの方がバイク&フィッシュでは重要なので、即決。

リールは20年年くらい前の初代アンタレス。ハンドルのネジが飛んで直せないでいたのを、ホームセンターで粘って見つけて復活。ノートPC用の極小ネジがフィットしたのだった。

新タックルをバイクバッグに突っ込んで、向かったのは実家近くの川。ここは幼い頃から川遊びをしている場所ではあるが、ナマズを見たことはない。けれどなんとなくいるならここだろうという予感がしていた。ギバチはたくさんいるから、という連関もあるかもしれない。

久しぶりのベイトリールは投げ方もおぼつかず、苦労したもののなるほどこれは慣れればスピニングより手返しはよい。サクサクと投げていけるテンポの良さは気持ちがいいかも。しばらく深場を狙って反応はなく、対岸の浅瀬に放ったところ、バチャッ! ロッドに重みを感じても半信半疑で、強引に引っ張り上げてくると、それは可愛い40cmほどのナマズだった。マイ・ファースト・ジャパニーズキャットフィッシュである。

初めて釣る魚というのは、いつでもいいものだ。それも狙って釣ったのだから喜びもひとしお。ルアーは、調べ物をしていたら「とりあえずこれがあればOK」と紹介されていたスミスのキャタピー。Jrサイズの、グローカラー。

あれだけ幼少期に泳いだり釣りをした川で見たこともなかったナマズ。タックルを整え狙いを定めて釣りにいき、こうして手にできたことが不思議な巡り合わせのように感じる。そしてトップウォーターでこんな反応を見せてくれる魚が身近にいただなんて。知らないことは多い。この1尾はサイズこそ大くはないが、自分にとってのメモリアルフィッシュとなった。

余韻に浸りつつ、ポイントを移動。するともう一発! 完全にこの釣りの虜となった。そしておニューのロッドに早くも入魂できてそれはそれは満ち足りた気持ちになったのであった。しかし直感通り、投げやすくとてもいい竿だった。買って正解!

コルクのフィルムを剥がしていないところに、新品感があってよい(笑)

編集者、ライター、サイクルロードレース実況担当(GCN)、レースMC、釣り人、シクロクロッサー。

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