ノケレ・クルス Nokere Koerse – DAZN実況

/

2019年3月20日にベルギーで開催される第74回ノケレ・クルス。DAZNにて実況することになりましたので、レースについての放送メモ。

UCI ヨーロッパツアー 1.HC ノケレ・クルス

1944年に初開催されたベルギーのワンデイレース。フランドル地方オースト・フランデレン州の町ノケレ周辺が舞台のセミクラシック。平均勾配5.7%、最大勾配7%、距離350mの石畳の登りノケレベルグを複数回登りフィニッシュするレイアウト。セミクラシックらしい、入り組んだ周回コースが設定される。

1961年の第17回大会までは、『グランプリ・ユール・ローヴィ』という名称だった。ノケレ生まれのプロ選手、ローヴィにちなんでもの。ローヴィは1913年生まれ、1935〜47年にプロのキャリアをもち、1938年の第6回パリ〜ニースでは総合優勝を遂げたほか、1943年のパリ〜ルーベでは5名の先頭グループでのスプリントで同じくベルギーの「黒い鷹」マルセル・キントに敗れ2位となっている。キントは1938年の世界チャンピオン(戦前最後)で43年にもパリ〜ルーベやツール区間を制した名選手。

ローヴィが没したダンセの街が、ノケレ・クルスではスタート地点になっている。1960年の没後、1963年から『ノケレ・クルス』という名称で開催されている。

2019年大会は195.6km。オウデナールデなどを通過しつつ、86.9km地点から周回コースへIN。1周14.2kmの小周回を3周したのち、この周回を含みながら東に膨らむループを加えた大周回34.4kmを2周の計5周をして、ノケレベルグでフィニッシュする。

パルマレス(優勝者リスト)から

近年の優勝者は08年ワウテル・ウェイラント、09年グレーム・ブラウン、10年イエンス・クークレール、11年ヘルト・ステーグマンス、12年フランチェスコ・キッキ、14年ケニー・デハース、15年クリス・ボックマンス、16年ティモシー・デュポン、17年、ナセル・ブアニ、18年ファビオ・ヤコブセン、と中級クラスの集団スプリントで勝てるスプリンターの名前が目立つ。トレインを必要とするピュアスプリンターにはやや難しく、ある程度自力で道を拓いていけるスプリンター、あるいはクラシックレーサー向けのレースであることがわかる。ゆるい上り坂フィニッシュということもあり、スプリント力は絶対必要条件だ。

ちなみに小ネタとして、昨年2位のアモリ・カピヨ(トップスポート・フランデレン)は、1992年の優勝者ヨアン・カピヨの息子。親子勝利はならず、今年のリベンジを期す。

優勝候補?

個として下馬評が高いのはコレンドン・サーカスのマチュー・ファンデルプール(オランダ)。大成功のシクロクロスシーズンから、ロード初戦のトルコのステージレースで早速区間優勝をもぎ取るなど、スプリント力、独走力、位置どりのスキルどれをとっても申し分なし。ここからツール・デ・フランドル、そしてアムステルゴールドレースまで本格的なクラシックレース参戦となるMVDPが最注目株なのは間違いない。

チームとしてはやはりドゥクーニンク・クイックステップ。昨年覇者のヤコブセンはいないものの、ツアー・コロンビアで区間優勝のアルバロ・ホッジがエースナンバー。そしてこのレースに強いル・サミン覇者のフロリアン・セネシャル、ピーター・セリー&イーリョ・ケイセといったアシスト勢の強さも光る。注目度で言えば、ベルギーでのプロ初戦となる怪童レムコ・エヴェネプールのUAEツアーからの復帰戦ともなる。

MVDPとの「恐るべき子供たち」争いが見たいところだが、さすがのマチューも19歳と比べられるともはや年配にすら感じられる。この世代で言えば、UAEチームエミレーツのジャスパー・フィリプセンも要注目。今年ダウンアンダーですでに区間優勝を遂げている21歳はチームのエースナンバーを背負う。

2017年優勝のブアニは再び輝きを見せることができるか? 今年のミラノ〜サンレモ出場を懸けた最後のチャンスとなるが、エースナンバーは昨年3位のユーゴ・ホフステテ。混戦になればなるほど強いホフステテがきっちり仕事をする可能性も高い。チームイネオス……じゃまだなかったチームスカイのエースはハルヴォルセン。今期はヘラルドサンツアーの1勝のみ。KBKで2位に入ったオウェン・ドゥールも好調につき、上位に絡んできそうだ。

トレック・セガフレッドのエースはUAEツアーのハッタ・ダムの登りゴールでカレブ・イワンに迫る2位となったマッテオ・モスケッティ。支えるのはFumyこと別府史之。

DAZNでの放送は3月20日 23:15〜

です!ぜひご視聴お願いします。ストラーデ・ビアンケで13位(!)フィニッシュした與那嶺恵理選手出場のウィメンズレースの結果もできる限りお伝えできれば、と。一人実況、楽しみたいと思います。

watch.dazn.com

編集者、ライター、サイクルロードレース実況担当(GCN)、レースMC、釣り人、シクロクロッサー。

自転車で行く釣り/Bike to Fishing/海外釣行/バス/渓流/シーバス

Latest from Blog

冬のSLJ@シーランド

トンジギから3日後、なぜかまた和歌山に来ていたのだった。 自転車に乗って。 三重まで入ってSLJ! 2枚目ね↓ この投稿をInstagramで見る シーランド(@sealand_nishiki)がシェアした投稿 財布を紛

できすぎトンジギデビュー メバチ54kg

和歌山での3日間の自転車旅ロケを終えて、早朝4時、御坊で啓兄に拾ってもらう。せっかく関西に来るならと大好きなSLJを予定していたのだが、紀伊半島の西側の風が思わしくなく、串本なら船が出られるとのことで、一路南へ。SLJが

2023年の初釣りはうおつり丸で

この世で一番愛してやまない船はうおつり丸である。新年もとうに2週間が過ぎ去って、ようやく釣り竿を振るときが来た。今回も無理を言って、うおつり丸を出船してもらった。毎度のことながら、@atuyrとツトム船長には感謝しかない

2022年に読んだ本

2022年は春から仕事も住む場所も、環境ががらりと変わったけれど、時間に余裕のある日も増えてきて、森の中のような家で本を読むようになったのは嬉しい変化だった。年末の大掃除にと引っ越して以来手つかずでいた本棚周りも大きく手

うおつり丸 2days

この世で一番愛してやまない船はうおつり丸である。2022年12月第2週目の、出航。 <Day1> いつものうおつり丸メンバー @atuyr @keitsujifishing に加え、現役レーサーの小出樹選手 @koide