数字で見るアブダビ・ツアー2018

シクロクロスシーズンが終わろうかという頃、とっくに始まっていたロードシーズンもベルギーのセミクラシックレースをもっていよいよ本格始動する。クラシックについてはいろいろ書きたいこともあるけれど、ここではこの数年のシーズン序盤の定番になっている中東のレースについて。

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UCIワールドツアーが機能するにしたがって、UCIの打ち出すサイクリングのグローバリズムに則る形で各国でロードレースが開催されるようになってきたここ数年。オーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダーがどこか異国情緒を伝えるものだったのは今は昔(それすらも最近な気がするんだけど)、ヨーロッパの冬に灼熱のレースを味わえる中東のレースがこの2月のトレンドだ。

感覚的には「いつのまにか」増えている中東のレース。ちょっと時期と特徴を整理してみると、

2月6〜10日 ドバイ・ツアー(2.HC)  2014年より。スプリンター向けステージレース。運営はRCSスポーツ。
2月13〜18日 ツアー・オブ・オマーン(2.HC) 2010年より。山岳ありのステージレース。運営はASO。 
2月21〜25日 アブダビ・ツアー(2.WorldTour) 2015年より。平坦と山岳の好バランス。運営はRCSスポーツ。

という感じ。中東のレース、といって真っ先に浮かぶツアー・オブ・カタール(2.WorldTour)は昨年から開催されていないのだった。このレースで勝ちまくったボーネンの引退と相まって、表舞台から姿を消してしまった印象がある。また、カタールの運営をしていたASOのイメージが強いけれど、現在はジロを主催するRCSスポーツの方が中東での開催レース数は多く、ちょっと不思議な感じ。ASOよりもRCSスポーツの方が、野心的なレース開催に燃えている気がする。かつてジロのスタートをワシントンD.C.で、なんて話もあったっけ(日本で、という話も……?)。

そんな中東のレースで、昨日(2月25日)に終わったばかりのアブダビ・ツアーから面白いプレスメールが届いたので、訳出して紹介したいと思う。()内は私のコメントです。

数字で見るアブダビ・ツアー2018

1 – 優勝したのはモビスターのアレハンドロ・バルベルデ。(いくつになっても強いね!)
2 – アブダビ・ツアー中にVelonによって使用された360°カメラの数。ワールドツアーでは初採用となった。

(↓映像これかな?)

3 – エミレーツ郵便が発行したレース記念切手の価格。通貨はディルハム。
4 – アブダビ・ツアーの今のところの開催回数。(ツール・ド・フランスは104回)
5 – ステージ数。トータルで681.6kmのレースです。(TOJが約764km)

Foto LaPresse - Massimo Paolone
Foto LaPresse – Massimo Paolone

16:00:11” – レースのオフィシャルタイムキーパー、タグホイヤーが伝えるところでのアレハンドロ・バルベルデのレース時間総計。(タグホイヤーのサイクリング界への進出ぶりがめざましい)
19 – TVカメラの数。9がフィニッシュ地点、4つがスタート地点、2機のヘリコプターにそれぞれ1台ずつ、4つがレース中のオートバイの上に。
24 – 新しくなったアブダビ・ツアーのトロフィーの金のカラット数。(24金は金の純度100%、つまり純金。おぉ、オイルマネーよ!)
26 – 今大会最も多い国籍のイタリア選手の人数。ついでドイツとスペインの12名。
29 – バルベルデと2位のロペスとのタイム差(秒)。
32 – スタートについた140名の選手の国籍数。(インターナショナル化著しい。残念ながら日本人選手は不在)
42.582km/h – 2018 アブダビ・ツアーの平均時速。(2017年ツールのフルームで、40.997km/hということです)
46 – スプリント賞のエリア・ヴィヴィアーニが獲得したポイント数。(正直あんまり意味のない数字ですね……)
52.682km/h – アブダビ・ツアー歴代最高の平均時速は、今年のローハン・デニスによるタイムトライアル・ステージだった。(アワーレコードはいつ?)

Foto LaPresse - Massimo Paolone
Foto LaPresse – Massimo Paolone

65.2km/h – 第1ステージで勝ったアレクサンドル。クリストフのトップスピード。(一瞬だって出ない)

Foto LaPresse - Massimo Paolone
Foto LaPresse – Massimo Paolone

73 – レースのオフィシャルカー、メルセデス・ベンツの台数。
76 – ブラックジャージを獲得したニコライ・ツルソフのレースナンバー。(黒ジャージは中間スプリント賞)
83 – レースを取材したメディアの媒体数。125人のジャーナリストと48名のフォトグラファー。(日本のメディアはいたのかな?)
116 – Hertzから貸し出されたあらゆるクルマの数。
132 – 完走したライダーの人数。
193 – TV放送のあった国の数。2017年より1つ増え、初開催の2015年からは14増えた。
524 – 2月2日、11日、20日にジェベル・ハフィートとヤス・マリーナ・サーキットで開催された「アブダビ・ツアー・チャレンジ」の参加人数。
735W – 第5ステージ、最大の山場ジェベル・ハフィートで勝負を決定付けたアレハンドロ・バルベルデの最大出力。

Foto LaPresse - Fabio Ferrari
Foto LaPresse – Fabio Ferrari

976 – 子どもたちによってデザインされたボトルの数。ボトルアート展覧会の一環として、第1、3、5ステージのキッズエリアで展示された。

Foto LaPresse - Massimo Paolone
Foto LaPresse – Massimo Paolone

1,461 – 2月の間、Adekとレースのコラボによる教育プロジェクトの1時間に及ぶ授業を受けた9つの学校の生徒の数。
2,050km – 広告キャラバンの走破距離。(暑い中お疲れ様でした)
2,122 – 関係者パスの発行総数。
3,107 – 2月21〜25日までの間にオンラインに投稿されたアブダビ・ツアーの記事数。(どうやって数えたんだろ)
3,500 – レースの公式観戦ゾーンのネイションタワーで観戦した人々の数。
18,000kg – 1014の便で、17の国から運ばれてきた出場チームの機材の量。スポンサーのエティハド航空のおかげです。
47,000 – Facebookのページファン数。去年と比べて34.3%増えました。
317,000 – 公式サイトの1日のページビュー(pv)数。去年比プラス9.3%。

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